No.6519 Nissin Foods (Singapore) U.F.O. Tom Yam Seafood Flavour

No.6519はシンガポールの日清食品、U.F.O. Tom Yam Seafood Flavour。製造はインドネシアでマレーシア等のイスラム圏で販売されるHALAL認証品。日清は焼そばの海外進出に熱心で北米ではChow Meinシリーズ、欧州ではSobaシリーズ、そして日本や中国・今回のシンガポールではU.F.O.シリーズを展開している(このほかタイやフィリピン、ブラジルでもYakisobaを出している)。世界的に見ても競合各社からも類似の製品が多数出てきて、焼そばという食べ物は着実に定着しつつあるようだ。

今回の品の広告を見ると、宇宙人がUFOに乗ってやって来て未知の食品を広めていくようなイメージだね。

東南アジアには各地で昔から汁なし麺の文化があり、インドネシアのMi Goreng、タイのPad Thai、フィリピンのPancit Canton等が有名なので、日本発の焼そばも抵抗無く受け容れられそうだと思われる。でも逆に違いがハッキリしないと「ウチのMi Gorengと同じじゃん?」と認知してもらえない可能性も高いので、個性の出し方が難しそうでもある。

今回のトムヤム味のカップ焼そばというのはありそうでいながら今まで殆ど無かった組合せだ(春頃に明星からトムヤムまぜそばが出たらしいが未試食)。東南アジアの即席麺メーカの製品群でも見た覚えが無いし、ウチのデータベース6,500種を検索しても13年前に食べたタイからの輸入品が一件引っかかったのみである。酸っぱ辛い汁なし麺というのは結構目新しいものなのかもしれない。

ちなみにこのシンガポール版U.F.O.では焼そばのことを「Fried Ramen」と称している。こういう言い方は初めて聞くな。

食べてみて、(中華系ではなく)南国系の酸っぱ辛さ。暑い夏、ビーチの傍らでビールでも飲みながら食べると心地が良さそう。でも個別の要素は正直言って安っぽい。この雰囲気を日本品質で作り直してくれたらかなり魅力的なものになるだろう。

麺は中太の角断面。気泡感は結構盛大にあり、ややダラ~ンとだらしなく伸びるような感覚がある。日本のU.F.O.とは全く異なる軽くて頼りない縮れ麺。湯戻し時間四分指定だけど、三分でいいんじゃないかと思った。まあ安っぽいから悪いのかといえばそうでもなく、ソースとの相性という意味では結構合っているようにも感じる。

ソースは酸っぱくて辛い。酢ではなくレモングラス的な酸っぱさだね。辛さは心地良い程度で激辛ではない。うま味はやや人工的で強すぎる。僅かに海老の殻を煮詰めたような香りやその他甲殻類や貝類の匂い。甘さは適切、塩分は強め。あまり深みのある味ではないのだが、スナック菓子的な中毒性があるともいえる。

具は乾燥したカニカマやネギが入っているのだが、作り方説明を見るとお湯を切った後で投入するよう指示がある。はて、日本の焼そばの感覚だとかやくはお湯を入れる前に投入して麺と一緒に湯戻しするものだと身体に染み込んでいるので疑問と強い抵抗感があったけれど、指示通りに作ってみたら大して違和感は無かった。カニカマは小さいし少ない。

トムヤム味の焼そばというのは案外といいものだ。願わくばもうちょっと全体の質感が上がってくれればもっと良かったのに。

国名 シンガポール
ジャンル カップ焼そば
EANコード 8 888279 103088
会社名 Nissin Foods Singapore
製品名 U.F.O. Tom Yam Seafood Flavour(製造はインドネシア)
謳い文句 日清焼そば Fried Ramen Spicy x Oishii
調理方法 熱湯4分お湯切り
質量 Net96g
熱量 460kcal (1920kJ)
Na 1.99g
付属品 粉末ソース、かやく(カニカマ・ねぎ)
ノンフライ麺 ×
汁なし麺
中太の角断面、気泡感が強くダラ〜ンと伸びる脆い感覚がある、日本のUFOとは別物
汁・ソース 南国的な酸味、心地よい辛さ、やや人工的なうま味が強い、海鮮の香り、塩分は強い
具・その他 後入れのカニカマとねぎは違和感なし、トムヤム焼そばは結構新鮮、質感向上を望む
総合評価 ★★☆2.5
試食日 2019/10/03
賞味期限 2019/10/07
入手方法 2019/04/30 昇松超市(Singapore)
税込購入価格 2.0 SGD (≒164 JPY)