No.6587 五木食品 海外用 九州とんこつ風ラーメン

No.6587は五木食品、海外用 九州とんこつ風ラーメン。輸出専用製品であり、国内販売はされていない筈。英文表記はKyushu “Tonkotsu” Artificial Pork Flavor Ramen、「人工」豚骨味である。海外バイヤー向けの販促資料を見てもAnimal freeを売りにしている畜肉不使用製品である。

▲左は輸出用(今回)、右は日本国内用の商標

ところで、五木食品といえば子守をする少女の商標がお馴染みなのに、今回の輸出用は子守なしの別バージョンになっているではないか!調べてみたところ、海外では別の会社に「五木」の文字と子守をする少女が含まれた商標が登録されており、裁判に負けて五木食品側が折れざるを得なくなったらしい。Since1878 JAPANの文字から悔しさが滲み出ているようだ。

裏面の説明書きにもこの製品は乳製品・卵・魚・甲殻類(えび・かに)・蕎麦粉を使って作られたと書いてある。いわゆるなんちゃって豚骨だね。しかし即席熊本ラーメンの雄ともいえる五木食品が輸出専用とはいえこのなんちゃって豚骨製品を作る裏にはどんな事情があったのだろう?止むを得ない苦渋の決断だったのか、畜肉成分に頼らずに豚骨っぽい味を作る技術的挑戦だったのか。後者ならば将来はHALAL認証を取ってイスラム圏へ進出、なーんて夢もあるのかも。下の写真に見られるように、スープは五木食品の自社開発である。

なお、五木食品の海外用ラーメンには今回の品以外にも「東京ゆずしょうゆ」「北海道ゆずしお」等がある。

食べてみて、全然違和感を持たずに食べることが出来た。もちろんケモノ臭さは全然ないのだが、何も予備知識無しに食べたら半数以上の人がリアルな豚骨スープだと騙されてしまうかもしれない。豚骨ラーメンで五個パック200円以下の袋麺、一個90円以下のカップ麺だったら今回の製品の方が「らしさ」で勝るように思える。

麺は細い棒状乾燥麺。ゆで時間の指示は二分半であるが、これだとかなりコシが失われてヘナヘナな食感になる。幸いこの製品は二食入りであり、二回目はゆで時間二分で切り上げたところ焦点がピッタリ合ったようにシャキッとした。絶対にゆで時間は短めの方が良い。とはいえ細いので大して重量感はなく、マルタイの棒ラーメンから粘りを少し抜いたような感じ。知らずに食べたらまず五木食品の麺だとは思わないだろう。

スープは白濁しており、これは豚骨ではなく豆乳成分によるものみたい。ややトロっとした粘性がある。ちょっと甘めで、うま味は潤沢に出ており化学調味料っぽさは全然ない。色や乳状感、ごま油の香りが相まって、あたかも豚骨スープのようだと勘違いしてしまいそう。これでガツンと揚げニンニクの匂いがすれば更にもっと良くなっただろう。

反面いろいろな添加物が多そうだなあとも感じる。脂っ気は無いので力感にも欠ける。ただ、粉末だけども粉の量が多く乾燥臭さも無いので、液体スープだと言われても信じてしまいそう。味の手数は多いので具無しでも退屈しないし、存在感のある味なので薄味や濃い味のいろんな具をいれてもヘコたれないだろう。

ということで豚骨の「Artificial」という表示に少し怖気ながらも試食を行ったのだが、これはこれでアリである。海外に長いこと居て、豚骨ラーメンっぽいものが手軽に食べたくなったときにはいいだろう。勿論なんちゃって豚骨ではあるのだが、綺麗に騙されてみるのもいいものだ。

国名 日本
ジャンル 袋ラーメン
EANコード 4 901726 013748
会社名 五木食品
製品名 海外用 九州とんこつ風ラーメン Kyushu “Tonkotsu” Artificial Pork Flavor Ramen
謳い文句
調理方法 ゆで2.5分
質量 Net182g
熱量 310kcal (1298kJ)
Na 2.16g
付属品 粉末スープ
ノンフライ麺 ○(棒状乾燥麺)
湯切り 不要
細い乾燥棒状麺はゆで時間二分半だとコシがなく二分で丁度良い、やや粘りに欠ける
汁・ソース 畜肉成分不使用が信じられない程充実した味、臭みや脂っ気は無く退屈さは感じない
具・その他 知らずに食べたら過半数の人が豚骨味だと思うだろう、具を入れてもへこたれない味
総合評価 ★★☆2.5
試食日 2019/12/28
賞味期限 2019/12/16
入手方法 2019/07/18 Brisbane (Australia)
税込購入価格 5.99 AUD (≒455 JPY)