No.6677 Nongshim America (USA) 辛 Shin Ramyon

No.6677は米国のNongshim America、Shin Ramyon。言わずと知れた韓国辛ラーメンの米国生産版。農心(Nongshim、농심)は2005年に米国西海岸のLAに工場を設立し、米国及び周辺諸国へ製品を供給する。また中国進出は遥か前の1986年に上海、のちに青島や沈陽にも工場を建てている。

▲米国産の証

ここ十数年様々な国の即席麺売り場を見てきた中で、多くの地で見掛ける強力なブランドとして「辛ラーメン」「Cup Noodles」「Maggi」「Indomie」の四つが挙げられる()。しかしウチで再三報告しているようにCup Noodlesは生産国によって麺もスープも大きく異なり、日本のカップヌードルの味や品質を海外版にも求めると失望する。

生産量では中国の康師傅が一番だと思われるが、国内需要に対応するので手一杯なのか、中国以外では滅多に見掛けない。

▲米国版は電子レンジ調理についても言及している

またNestléのMaggiも欧州とアジアとインドでは雰囲気が異なり、正直言ってこれがMaggiの味だ!という定型は無い。IndofoodのIndomieも生産国によって麺も味もかなり違うことが最近のウチの試食の中で明らかになってきた。

そんな中、農心の辛ラーメンについては過去中国(上海)生産版を食べ、韓国国内版及び韓国生産日本向け版と麺やスープの基本的性格はほぼ同一のように感じられた。(同時比較ではないので厳密な違いは言及できない。またカップ版では具がかなり違うことを認識している)

なので今回米国版の辛ラーメンを入手したのをチャンスと捉え、韓国生産の日本向け仕様と同時比較しながら試食する。日本向け仕様は次回のNo.6678で報告する。

本来ならば韓国国内版も一緒に比較できればベストなのだが、この時節柄韓国国内版を購入するために新大久保へ出向くのも気が引けるし、結構大盛りの(120g)辛ラーメンを一度に三食食べるのは、もう食欲が減退しつつあるオッサンには厳しすぎる話でもある。(実際一度に二食食べただけでもその後が結構辛かった)

食べてみて、普段日本で食べる辛ラーメンとほぼ同じように感じられた。袋の辛ラーメンについては世界中のどこで購入しても、大きく印象が変わることはないと断言する。辛ラーメンが好きな人はどこでもこの味を楽しむことができるだろう。嫌いな人にはどこに行ってもあの味、あの赤黒パッケージが憑きまとう。

考えてみると凄いことである。食べ物に関する嗜好は国や地域、宗教や習慣によって大きく異なるものであり、一つの味で全ての人を賄おうとするのは極めて難しい。だからこそCup Noodlesも名前は同じでも地域毎に全然違う中身を用意しているのであり、こいつが一本化できれば経営の効率化やブランドの強化に大きく寄与する筈である。

もちろん辛ラーメンとて万能即席麺ではなく、賛否両論・アンチ辛ラーメンの人もたくさんいるであろうが、少なくとも最大公約数的な普遍的うまさを備えている、とは言えると思う。

麺は太めでふくよかな舌触り。重量感と存在感が大きく、食べ応えがある麺。強いて言えば日本で食べる辛ラーメンよりも表面がザラザラしたような荒さがあり、また粘りが若干弱いような気もするが、大きな違いではない。

スープはやや濁り感があり、味噌系のうま味が混じる牛肉風味。激辛という程ではないが、目を覚ますような唐辛子の刺激が心地良い。僅かに甘味料の甘さと酸味を感じる。強い味だが脂っこさは弱く、コッテリとか重厚という感じではない。

袋麺だが具が付いており、椎茸は2cm角ぐらいの大きなものが入っていた。韓国製ではこんなバラつきは見たことが無いな。大豆蛋白質は鶏肉によく似せてある。ちんげん菜やネギなどもあれば有難いもの。

量の多い製品だが、辛さとふくよかな麺、具と味付けの妙により食べていても退屈さを感じさせず、十分な満腹感を得ることが出来る製品。世界中で受け入れられている事実は十分納得できる。

国名 米国
ジャンル 袋ラーメン
EANコード 0 31146 15060 1 (UPC)
会社名 Nongshim America
製品名 Shin Ramyon 辛 라면
謳い文句
調理方法 ゆで4〜5分/電子レンジ4分
質量 Net120g
熱量 500kcal (2093kJ)
Na 1.86g
付属品 粉末スープ、かやく(ちんげん菜・椎茸・味付大豆蛋白・人参・ねぎ)
ノンフライ麺 ×
湯切り 不要
太めでふくよかな舌触り、表面はやや荒れている、重量感と存在感が高く食べ応え大
汁・ソース 辛さが心地良い、牛肉と味噌の香り、僅かに甘さと酸味、脂っ気は弱く濃厚ではない
具・その他 椎茸は大きさがまばら、大豆蛋白質は鶏肉みたい、日本で買う辛ラーメンとほぼ同じ
総合評価 ★★★3
試食日 2020/04/19
賞味期限 2020/03/13
入手方法 2019/06/07 New York (USA)
税込購入価格 1.99 USD (≒215 JPY)