No.6774は中国の杭州绿家食品、Ever Roka Instant Noodles Vegetable Flavour。中国製といってもパッケージには細かな字で六か国語が併記されており（中国語とか漢字は一切出てこない）、欧州や中東・アフリカへの輸出を前提とした製品のようだ。

現在はHangzhou Green Home Food（英文の会社名）やEver Rokaと言われても知名度はあまり高くないように思われるが、低価格を武器としてジワジワと世界に進出・浸透してゆき、気が付いたら即席麺の普及が遅れた欧州やアフリカの人々の胃袋が中国企業にワシ掴みにされて支配されてしまうのでは、なんて想像をしてしまうよ。

食べてみて、ベジタブル味とあるのであまり期待をせずに試食に臨んだのだが、意外ともいえる満足感を得ることが出来た。野菜といってもこれは実質的にトマトラーメンである。酸味とうま味が適度に効いていて、全然退屈さを感じない製品である。

麺は細い角断面で、粒立ちがハッキリしている。このEver Rokaの姉妹品を何度か食べた経験を基に心持ち茹で時間を短くしたら、より一層快活な舌触りになった。香りは平凡だし全然高級感は無いのだが、元気な印象の麺というのはそれだけで好ましく感じられる。なお日本の即席麺とは違い、味毎に麺を作り分けるような細かな配慮は無い模様。

スープはオレンジ色っぽく、前述通りトマトの酸味と香りが前面に出ている。正直言うと風味は乾燥粉末っぽいのだが、バランスが良くて貧相には感じない。うま味も適切で、辛い刺激は無い。唐辛子を入れると合いそうである。

日本では野菜味（Vegetable Flavour）のラーメンなんて見掛けないけれども海外では一般的である。しかし大抵のものは化学調味料っぽさが強くて味の方向性が曖昧なものが多いと感じている。ましてこのEver Rokaシリーズはムスリム圏にも輸出されるHALAL認証品であり豚肉やアルコール由来の化学調味料を使えないハンディがある。

しかし本製品はトマトという強固な味の柱があり、最後まで好奇心を失わずに食べ続けることが出来た。意外な掘り出し物。

国名	中国
ジャンル	袋ラーメン
EANコード	6 923744 358159
会社名	杭州绿家食品 Hangzhou Green Home Food
製品名	Ever Roka Instant Noodles Vegetable Flavour
謳い文句
調理方法	ゆで3分
質量	Net85g
熱量	396kcal (1662kJ)
Na	0.961g
付属品	粉末スープ
ノンフライ麺	×
湯切り	不要
麺	細い角断面、粒だちがハッキリして元気が良い印象、締まりがあり最後まで飽きない
汁・ソース	橙色、野菜味だがトマトの酸味と風味が強く出る、旨味は必要十分、辛い刺激は無い
具・その他	野菜味の即席麺は単調な味が多いが本品は最後まで好奇心を持続できた、掘り出し物
総合評価	★★☆2.5
試食日	2020/08/22
賞味期限	2020/07/28
入手方法	2019/05/28 Tangier (Morocco)
税込購入価格	14.5 MAD/5p (≒33 JPY/p)